前回、私が都心を離れる上で[手放したもの]についてお伝えさせていただきました。
では実際に葉山に移住し環境をガラッと変えたことで何が変わったのか、ここに来て[得たもの]についてお話したいと思います。
初めて知る「夫婦のカタチ」
葉山に来て2年。友達もたくさんできました。家族ぐるみのお付き合いが増える中で、東京にいた頃と明らかに違うと感じることがあります。
それは「様々な夫婦の形がある」ということです。
まず一番感じたのが、子どもを持たない夫婦の多さ。
都内で新婚生活を送っていた頃、出産というものに興味のなかった私は「そろそろ子どもは?」という周りの風潮に思い悩んだ時期がありました。
葉山には、結婚歴が長くても子を持たず、恋人のように仲睦まじく暮らしている夫婦がたくさんいます。
年の差婚や国際結婚、長年一緒にいるけど入籍はしないカップル、そして常に自分たちの目標や夢に向かって奮闘している人も多いように感じます。趣味を形にしてお店をオープンする夫婦や、子育てをしながら起業したり、積極的に様々なイベントを立ち上げるママなど。
葉山住民は皆、葉山が大好きです。そして雰囲気が明るい。
きっと多種多様で自由な生き方を好む人々が、それぞれの個性を発揮しながら生き生きと過ごせる環境だからじゃないかなと思います。
出産に興味がないとはいえ、「結婚7年なのに子どもがいない」ということにずっとどこか後ろめたさを感じていた私。
年齢や立場、常識に捉われず自身を貫き、しっかりと”自分”を人生の主役にして楽しんでいる人たちを多く見て、とても気持ちが楽になりました。イレギュラーなんて存在しない。夫婦の数だけそれぞれの夫婦のカタチがあっていいんだということを葉山が教えてくれて、より自分らしく過ごせるようになりました。
自然が私たちに教えてくれたこと
海も山も家から歩いてすぐの距離にある葉山。
移住後、私は海でsupを楽しんでいます。
これまで経験したことのなかった、自然の中でひとりになる時間。
果てしない水平線を見ながら沖でぷかぷか浮かんでいると、ちょっとした困難や悩みも(その日あった夫に対する小さな不満なんかも)、全部が「まぁいいか」とどうでも良くなる瞬間があります。
海はこんなに広いんだもの。この海から見たら私なんてアリみたいなものだし、悩んだって失敗したって誰も気にしてないさ、と。
家に帰ったら夫にあの件謝ろう、とか、ぎゅっとハグしよう、とか、そんな気持ちにさせてくれます。
そんな自然のある環境に感謝するようになり、それと同時に夫にも、この穏やかな日常生活にも、常に感謝の気持ちを持つようになりました。
まさに大切なものをきちんと大切にできる環境。
葉山に来てから、クヨクヨすることが都内にいた頃と比べて格段に無くなりました。葉山の自然はいつも私にポジティブで穏やかな心を持たせてくれます。
歩み寄りなくては成り立たない、葉山⇔東京生活
東京を離れたとはいえ、お互い仕事は都内がメインのため、片道90分以上かけて葉山と都内を行ったり来たりしています。
しんどくないのか?とよく聞かれますが、もちろんしんどい時もあります。
この生活を成立させるには夫婦の協力が不可欠です。
私は普段仕事が不規則なため、忙しい時期は寝不足になりながら葉山と都内を往復するのですが、そんな時ヘトヘトで帰宅したら、玄関先にお揃いのスリッパがキチンと履きやすい向きで揃えてあったり、大好きなパン屋さんのクロワッサンを買っておいてくれてたり。
そんなちょっとした彼の思いやりに何度も助けられました。
だから私も、疲れてても彼の好物を作ってあげたくなるし、彼が大変なときには力になりたい。
夫婦ってつくづく思いやりだなと。
親しき仲にも礼儀ありじゃないけれど、こういうちょっとした思いやりや気遣いの積み重ねで成り立つんだと思います。お互いこの思いやりを続けていれば、私たちはこの先もきっとずっと大丈夫。
東京での便利な生活を手放し、少し不便な環境に身を置いたことで、そう再認識することができました。