予防医療に私が力を入れるきっかけとなったこと;救急の経験
こんにちは、ドクターしょこたんです。
最近「予防」や、「予防医療」が世間でも注目されています。私も予防医療を日々勉強して います。
なぜ私が予防医療というものをはじめたのか、お伝えしていきたいと思います。
そもそも、私は救急医として 3 年務めていました。当時は、本当に様々な病気、そしてその 病気の方々の末路を見ていました。例えば、糖尿病を放置していて感染症がひどくなった人 や、心筋梗塞になった人、はたまたメンタルの病気が原因で自殺をした人などです。
救急に運ばれてくる人たちには本当に色々な背景があります。その中には、もと
もと元気だ ったけど急に病気を発症して、いきなりどん底へ突き落とされた人たちがやってくるので す。救急では「このままでは死んでしまう人」をいかに立て直して(時には生き返らせて)、 入院チームにバトンタッチするかを一生懸命やっていました。
もちろん、急に病気を発症するパターンもありますが、実は前々からあった病気の兆候を見逃していて、最終的にこのような状況になることも実は多いのです。そのため、「こんな にひどくなる前になんとかできないか…」と感じていました。
予防の重要性を感じていたのです。
予防医療に力を入れるきっかけ;健康な人の生活習慣
また、私が予防医療に力を入れたいと思うきっかけとなったことがもう 1 つあります。
起業をするために昼夜ダブルワークで働いていた友人がいました。
その友人は20代後半 でした。
昼、契約社員として働き、夜は飲食店でバイトをする。起業資金を貯めるため普段 の生活を相当切り詰めていたため、食費も削ってずっと働いている状態でした(今産業医と してみると、これは完全に良くないのでやめろ、と伝えるべきでした)。
よく風邪をひき、 体調不良になっていたので、食べ物の差し入れなどを行なっていたのですが、人柄的にはす ごく尊敬できる人でしたし、頑張っていたので私も応援していました。
しかし同時に、こん なに夢に向かって頑張っているのに、食事や睡眠を切り詰めていたら、早死にしてしまうの ではとハラハラしていました。確かに20代後半といえば、まだ体力も有り余っていて、昼 夜働いていてもなんとかなるかもしれません。しかし、食事や睡眠をおろそかにすれば確実 にそのツケは、後々の自分に戻ってきます。
食事や睡眠をおろそかにしていても、なんとかその場をしのげれば大丈夫と考えている 人が多いことに気づきました。
しっかりと健康に対する意識を健康なうちから整えること をお伝えしたいと思い、発信活動を始めました。
いま私は腸内細菌や腸からアプローチする 予防医療というものをメインでお伝えしています。
新しい0次予防と予防医療の目指すところ。
医療界ではもともと予防にも 3 つの段階があると言われていました。
1次予防では、生活習慣の改善や、予防接種などで、健康な人が病気にならないようにする ことです。 2次予防とは、早期発見、早期治療を行なうことで、健康診断がこれに該当します。 3次予防は、治療の中でリハビリや保健指導などを行うことで再発を防ぎ、日常生活を送れ るようにする取り組みです。
つまり2次、3次予防はすでに病気にかかった人を対象としています。逆に1次予防は健 康な人や病気にはなっていない人が主な対象になってきます。
そして、最近では0次予防という概念が広がってきています。0次予防とは、個人の体質 に合わせた予防法や健康教育を行うことを言います。例えば、遺伝子検査や腸内細菌検査を 行うことによって、その人が将来なりやすい病気を予測し、その人にあった食事や運動を提 案するという予防方法です。
それ以外にも、個人の周りの環境を整えることによって予防をするという、大きな視点で 取り組んでいる研究グループもいらっしゃいます。
例えば運動不足の人がいたとすると、公 園を近くに作ることで運動する気持ちが出てきて、運動するようになる。
また、環境汚染物 質が原因で色々な病気になっているのであれば、環境にある化学物質を減らすような取り 組みをする、などこれもまた予防につながってくるのです。
これら様々な角度からの予防へのアプローチもまだまだ課題があります。
詳しくはまた次 の機会でお話ししていこうと思います。
私は0次〜1次の予防を頑張っていきたいと思っ ていますし、環境レベルでも予防の重要性を伝えられる人間になっていきます。
ぜひこのコラムで、あなたにできる予防は何なのか、一緒に考えられたら嬉しいです。